働き方改革の目的と方法を共有することができたら、
きっと教職員の働き方改革に対するモチベーションは高くなっているでしょう。
しかし、このまま進めようとすると・・・
「あれ?君はまだ帰らないの?働き方改革の意識が低いぞ!」
「担外の先生はまた早く帰ろうとしてる!このプリント丸付けしてから帰ってよ!」
と言ったことが起こる可能性があります。
もちろん、働き方改革を進めようとしているが故の発言かと思いますが、
これらの発言には重大な問題が潜んでいるのです。
これから働き方改革を進めようとしている先生方は、
その目的と方法だけでなく、進める上での心得を共有することが大切です。
年度当初、私は、教務主任の立場として、事前に管理職の許可を得て、
「働き方改革の進め方」について3つの話をしました。
関連記事はこちら↓
⇒働き方改革を始める前に、教職員で共有すべき3つのこと①何のために働き方改革をするのか?
⇒働き方改革を始める前に、教職員で共有すべき3つのこと②業務改善の4つの方法
本記事はその3つ目です。
業務改善の3つの心得
業務改善の3つの心得
教職員で共有したい心得を3つ伝えました。
これは、主に教職員間での配慮事項ともいうべきものです。
保護者や地域に対して配慮すべきことは含まれていません。
働き方改革を始める時点では、まず教職員間での配慮が必要であると考えました。
心得①時間外勤務は本来ないもの
心得①時間外勤務(残業)は本来しないべきであると認識しましょう。
働き方改革を進めているときの職場の会話あるあるを紹介します。※うちだけ?
「今月はあと〇〇時間使える!」
まるで残業時間をクレジットカードのキャッシング枠のように考える先生が多いです。
この認識のままだと、業務改善案に以下のような案が出される恐れがあります。
残業が少ない先生がいることをいいことに、
残業が多い先生から少ない先生に業務を振り分けるだけの改善案が横行すると、
学校全体としては業務量が減らず、残業が増えた先生の不満が大きくなってしまいます。
例のB先生だって、家庭事情もあり好きで残業を40時間しているわけではありません。
それなのに平気で残業を押しつけられるような改善案は、業務改善と言えるでしょうか?
まずは業務をなくす、それが無理ならへらす、それも無理ならうつすことを考えるべきです。
心得②残業は個人の問題だけではない
心得②残業してしまうのは個人の問題だけではないことを認識しましょう。
これも働き方改革を進めているときの職場の会話あるあるです。
「働き方改革が進まないのは、自分の経験・能力不足のせいだ・・・」
そんなことはありません!
働き方改革の進み具合を個人の責任にするのはモチベーションや自信の低下につながります。
個人の責任にすると、個人の責め合いになってしまいます。
もちろん、経験を重ねたり、研鑽を積んだりすることは大切ですが、
それは働き方改革があろうがなかろうが大切ですよね。
働き方改革は、もっと”仕組み”の改善に意識を向けるべきです。
心得③業務を客観的に捉える
心得③業務を主観的ではなく客観的に捉えましょう。
これも働き方改革を進めているときの職場の会話あるあるです。
「担任は大変だからもっと仕事を減らしてよ」
「この改善案はやりづらくない?違う方法のほうがやりやすいよ」
この認識のままだと、以下のようなことが起こり得ます。
業務の行い方を、やりやすい・やりづらいといった感覚ではなく、
なるべく数量的に捉えることで、客観的に見直すことができます。
やりやすい方法、慣れている方法は、人によってさまざまです。
それら全部に応えようとすると負担が増えます。
下のように、ワークフローを数量的に見ると業務を客観的に見直すことができます。
上段は紙での情報共有、下段は電子での情報共有にかかるワークフローです。
紙だと4ステップかかるのに対し、電子だと2ステップで済みます。
このように、業務の手順を可視化すると、紙と電子のどちらが効率的かが分かります。
慣れや得手・不得手の問題もありますが、それは一時的なものです。
慣れるのが心配な先生に対しては、フォローも必要です。
もちろん、教師の仕事は全てが数量的に把握できるとは限りません。
しかし、概算でもいいから、とにかく数量的に見直す姿勢が大切です。
例えば、
小単元テスト1回30枚の採点と成績転記に1時間かかるとすると、
年間の小単元テスト回数50回で50時間という概算ができます。
じゃあ、小単元テストの枚数を何回減らせるかな?という思考になります。
業務は客観的に、数量的に見直すべきです。
まとめ
以上、働き方改革を進める前に教職員に共有すべき3つ目を紹介しました。
①そもそも残業しないという認識
②個人の責任にしないという認識
③業務を客観的に捉えるという認識
今までの教師の感覚ではなかなかないかもしれませんが、
これも、慣れていくしかありませんし、きっと慣れます!
業務の捉え方が変われば、きっと働き方改革が進みます。
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