tm5の”目指す子供像”
「どんな子供を育てるべきなのか?」
これについては、おそらく教師の数だけ答えがあると思います。
言葉に表すと、それこそ数千、数万あると思います。
しかし、その定義を集約していくと・・・
だんだんと、教師の願いが明らかになってくるのではないかと思います。
私が考える、これからの目指す子供像は、
多様な人々が共生できる社会をつくるために
他者と協働して問題を解決できる子供
です。
前記事では、「多様な人々が共生できる社会をつくる」とはどういうことか
述べました。
前記事↓
⇒これからの時代、どんな子供を育てるべきなのか?①理想をもち、現実の問題に気づく力
本記事では、「他者と協働して問題を解決できる」とはどういうことか
述べたいと思います。
「他者と協働して問題を解決できる」とは?
問題を解決するにあたり、もちろん1人で解決してもかまいません。
でも、時と場合により、必要だと判断したときには、
他者と一緒に解決策を生み出せることが大切であると考えます。
「だれかと協働するなんて、簡単では?」
と思う人もいるかもしれません。
でも、立場が違ったり、人種が違ったりしても、
どんな人とでも協働できますか?
協働することは、ありふれたことのようで、実は難しいことなのです。
協働するための資質・能力として、以下の2つが大切であると考えます。
必要な資質・能力①他者を尊重する力
①他者を必要な存在として尊重する力
子供たちが、多様な人々が共生できる社会を目指すのであれば、
その多様な価値観や生き方を認め合うことが必要であると気づくはずです。
ということは、いろいろな他者の意見を求めようとするはずです。
この力は、文部科学省が打ち出した「令和の日本型学校教育」の
”協働的な学び”に示されたものと同じです。
必要な資質・能力②客観的に考える力
②客観的に解決策をつくり出す力
自分たちの思いだけで物事が解決するわけではありません。
「先生!校則を変えたいです!」
「とにかく変えたいんです!分かってください!」
とばかり主張されても、正直何をどう判断して認めれば良いのか分かりません。
「先生!今の校則はこのような点についてこのような問題があります。」
「こう変えれば、こんな立場の生徒にとってこんなメリットがあると思います。」
「もしかするとこんなデメリットがあるかもしれませんが、
こういう配慮をすればそのデメリットを解決できると思います。」
と主張されれば、説得力が増しますよね。
もちろん、発達段階を考慮した上での話ですが、
自分たちの解決策の公共性や実現性を客観的に捉えて見直すことができれば、
より多くの人にとってメリットのある解決策になると考えます。
まとめ
このように、
他者と協働して解決できる力とは、
①他者を必要な存在として尊重する力
②客観的に解決策をつくり出す力
であると考えます。
考えの基にさせていただいているのが、前回の記事でも御紹介した
唐木清志さんの「公民的資質とは何か」2016東洋館出版社です。
「公民的資質」という言葉は、社会科の目標で使われている言葉です。
しかし、学校教育全体の目指す子供像をほぼ網羅しているものだと考えます。
この公民的資質から、私がより学校教育全体を踏まえて考えたのが、
多様な人々が共生できる社会をつくるために、他者と協働して問題を解決できる子供
というわけです。
これからの未来に必要な力は、時代によって変わっていくと思います。
現時点では私はこのように考えますが、
この考えすらも、絶え間ない更新が必要であると考えます。
これからの未来がどうなるかを、常にアンテナ高くして見据え、
それに必要な力を考え続ける姿勢が、教師には必要なのではないでしょうか。
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