働き方改革実践報告②放課後対応の削減

教師の働き方

本校は放課後の保護者・子供来校削減に成功!

本校は、従来、自由に来校を許可していましたが、それを制限することにしました。

子供や保護者と普段話せない場がなくなることはデメリットではありましたが、

何よりも、限られた放課後時間に少しでも業務を進めるためには、

必要な取組であると判断しました。

本記事では、その実践内容を述べたいと思います。

自由な来校には2つの問題が!

本校は、文化・慣習として、子供やその保護者が放課後に気軽に来校していました。

「うちの子が宿題を学校に置き忘れちゃって・・・」

と保護者やその子供がやって来たり、

「先生、遊ぼう!」

と子供たちが職員室に来ることが日常的な風景でした。

もちろん、彼らが気軽に来てくれるということは、

学校と子供・保護者との関係の良さを表しています。

学校、職員室を身近に感じてもらえるのはうれしいのですが、

この現状には2つの問題点が・・・

教職員の業務中断が頻発!
防犯上のリスクがある

①の問題点がどういうことかというと、

忘れ物を教室までとりに行く際、子供だけで行かせるわけにはいきません。

その子が無人の教室で、何をするか分からないからです。

かといって、いちいち教職員が同行している現状では、業務中断が頻発!

②の問題点がどういうことかというと、

校舎構造上、実は職員室に寄らなくてもこっそり教室に忍び込むことが可能。

※防犯カメラには映るので、後で発覚はしますが・・・

実際、職員室に寄ることが後ろめたくて、

こっそり忘れ物をとりに行く子供もいるのです。




これらの問題点を踏まえ、実行した策は以下の通りです。

放課後の来校に条件をつける

放課後に来校することに対し、以下のような条件を保護者宛文書で提示しました。

①忘れ物をとりに来るのは、どうしても必要な場合であること
②事前に電話で学校にアポをとること
③17:00までに来校すること
④保護者同伴、または保護者のみで来校すること
⑤来校時にインターホンを鳴らしてアポをとったことを伝えること

①忘れ物をとりに来るのは、どうしても必要な場合であること

どうしても必要な場合というのは、子供の健康上・安全上必要な場合です。

「自宅の鍵を教室に忘れて家に入れない」

「学童で食べるお弁当を教室に置き忘れた」

などです。

忘れ物をとりに来たいという連絡があった際、

まずは「本当に必要か?」ということを保護者に問いかけました。




②事前に電話で学校にアポをとること

いきなり来校されると、それこそ会議中で対応できなかったりします。

「〇時頃とりに行きます」

と分かっていれば、こちらもそれに合わせた業務遂行が可能です。




③17:00までに来校すること

教職員の勤務時間を意識してもらうために提示しました。

「保護者も仕事があるんだ!」

という意見もあるとは思いますが、

銀行だって、市役所だって、閉まる時間は決まっています。

用事があるときは、有給なり何なりとって行きますよね?

それと同じです。




④保護者同伴、または保護者のみで来校すること

これには2つの意図があります。

1つ目は、教室への同行を保護者自身にしてもらうことで、

教職員の業務中断をなくすこと。

2つ目は、子供だけで来校させないことで、

行き帰りの安全確保や、

子供が「親にバレないように」忘れ物をとりに来るのを防ぐこと。




⑤来校時にインターホンを鳴らしてアポをとったことを伝えること

来校には手順があることを改めて示すことで、

保護者や子供自身に、放課後の防犯意識をもってもらう意図があります。


条件をつけた成果と今後の課題

結果としては、放課後の来校が大幅に減りました!

校庭で遊ぶ分には何も制限していませんよ。対応も不要だし。

校舎に入る場合のみです。

保護者や子供はどう思っているか分かりませんが・・・




見えてきた課題は、先述の通り、保護者、子供の理解が不十分なことです。

おそらく、

「忘れ物をとりに行きづらくなって不便」

「先生が冷たくなった」

というような思いをもっている方もいるかもしれません。

今後は、あくまでこの取組を何のために行っているのかを幾度と発信し、

保護者と共有することが大切だと思います。

このことは、この取組だけの話ではありません。

学校における働き方改革のため

それが授業準備や学級経営に充てる時間の確保になり、

ひいては、子供のためになる




まだまだ道半ばの本校の働き方改革です。

参考になった学校はぜひ御検討を!

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