教師という職業は、休みをとりづらいです。
結論から言うと、下の2つが原因です。
①代わりがいないこと |
②仕事がたまること |
本記事では、教師が休みをとりづらい原因について紹介します。
教師がもつ有給日数
例えば、会社でいう有給にあたるものの一つとして、「年休」があります。
年休は、基本的に1年間で20日付与されます。
それに加えて、前年未消化だった分20日分まで繰り越されます。
つまり、
前年 | 20日分のうち18日未消化 |
今年 | 前年未消化18日+今年分20日=38日 |
という計算になります。
他にも有給の種類はいくつかあります。
さて、実際教師がどれだけ有給を消化できているかというと・・・
年間12.1日(2022 連合総合生活開発研究所)
仮に年休40日分だけを母数として消化率を計算すると、
有給消化率約30%
企業の有給消化率は約49%(2016 厚労省)ですので、明らかに低いですよね。
休みをとりづらい原因① 代わりがいないこと
教師の中で一番の割合を占めるのが担任です。
中学校などによっては担任の他にも副担任がいたりしますが、
小学校は担任と担任外にきっぱりと立場が分かれています。
担任は、みなさんのイメージ通り、毎日ずっと教室にいて
クラスの子供たちの学習指導や生活指導に向き合っています。
担任に対してだからこそ心を開く子供や言うことを聞く子供もいます。
担任が特別な存在だからこそ、他教師が代わりづらいのです。
また、授業スタイルなどにこだわりをもつ教師が多いです。
なので、担任が休んで他教師が授業進行を肩代わりすることを避けたいのです。
かといって、自習課題を出してしまうと後で丸付けが大変・・・
担任のこだわり故に、他教師が代わりづらいのです。
担任という立場は、子供も教師自身も替えの効かない特別な存在であると
認識しているのです。
休みをとりづらい原因② 仕事がたまること
これは企業とも似ているかもしれませんね。
休みをとると、
翌日には机上に大量の文書やメモが置かれていたり、
丸付けを待っているワークシートが置かれていたり、
翌日出勤して机上を見たときのげんなり感はすさまじいです。
「こんなことになるなら休みなんてとりたくない!」
教師がこう思うのは、自然なことでしょう。
おそらく、自習課題の出し方を工夫すれば、ある程度解決します。
例えば、
丸付けを子供自身で済ませるとか、
そもそも丸付けを要しないワークシートを課すとかです。
しかし、残念ながら、ここでも教師のこだわりが邪魔します。
「自分でしっかり添削したい」
「自分が休みのだから相応の質の課題を用意したい」
などです。
教師がこだわりに頑なである限り、休めない
2つの原因を紹介していくと見えてくるのは、教師のこだわりです。
このこだわりは、「子供のために」という信念に基づくものです。
とてもすばらしい価値観だと思います。
しかし、同時に教師自身の労働環境改善を阻むものにもなっているのです。
これほどまでに、子供のために尽くしている教師が、
倒れてしまっては、本末転倒です。
我々教師は、自分たちの体が健康を保ちながらも子供に尽くせるような働き方を
考えていかなければなりません。
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