学校における働き方改革は、いつから始まった?

教師の働き方

私の周りの教育現場では、ようやく働き方改革の機運が高まりつつある

といった印象です。

ようやく、と述べたのは、既に文部科学省が働き方改革について声を挙げてから、

5年以上が経過しているからです。

本記事では、そもそも働き方改革はどのようにして推進されるようになったのか、

文部科学省の通知などを遡りながら確認していきます。

学校における働き方改革の動向

学校における働き方改革は、個人や団体レベルなどにおいては

もっともっと前から動きがあります。

文部科学省として、「働き方改革」という言葉を使っての動きは、

平成28年頃からになります。



教員勤務実態調査                          
1日あたりの勤務時間が増えるなど、勤務実態の悪化が結果に表れた。
小学校11時間15分(H18は10時間32分だった)
中学校11時間32分(H18は11時間00分だった)
教員勤務実態調査(平成28年度)の分析結果及び確定値の公表について(概要)  


学校における働き方改革に関する緊急対策
業務の役割分担・適正化などについて文部科学省の見解を示した。
学校における働き方改革に関する緊急対策(概要)


働き方改革関連法成立(H31施行)
長時間労働抑制や多様な働き方を認める諸制度を推進するものとして施行された。





新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための
学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)※1月
新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための
学校における働き方改革に関する総合的な方策について(概要)
学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)※3月
学校における働き方改革に関する取組の徹底について(通知)
改正給特法成立
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を
改正する法律について(概要)

教諭等の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付に
ついて(通知)

教諭等の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について
改正給特法(業務量の適切な管理等)施行

改正給特法(変形労働時間制の適用)施行

文部科学省が平成28年度に実施した教員勤務実態調査において、

教師の厳しい勤務の実態が改めて明らかとなりました。

これを受けて、文部科学省では、平成29年6月22日に、

新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための

学校における働き方改革に関する総合的な方策について中央教育審議会に諮問を行い、

平成29年12月26日に、

「学校における働き方改革に関する緊急対策」を取りまとめ、取組を進めてきました。




さらに、中央教育審議会では、平成31年1月25日に、

「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための

学校における働き方改革に関する総合的な方策について(答申)」が取りまとめられました。




そして、令和元年12月4日に、

いわゆる”改正給特法”が成立し、令和2年度、令和3年度に順次施行されました。




上の表に挙げた以外にも、

学校における働き方改革について数え切れないほどの通知等が出されています。

学校における働き方改革のポイント

各文書を読んでいく中で、とにかく強調されていることは以下の3つです。

①働き方改革が教職員の資質向上につながり、より効果的な教育活動を行えること

②勤務時間を適切に把握し、上限を守ること

③学校と地域・保護者で協力して業務分担を進めること




働き方改革については、とにかく頻繁に通知等が届きます。

文部科学省からだけでなく、県単位や市町村単位からも届きます。

それだけ喫緊の課題ということです。

教育現場の意識との乖離

私自身も、この問題は切実性をもって捉えています。

しかし、実際の教育現場では、この問題を重く捉えていない教員が多いです。

さらには、

「仕事のやりがいが奪われる」とか、

「教育の質が下がる」とか、

「今までの教育の在り方や仕事の仕方が変わってしまう」とか、

反対する教員もいます。




保護者の方々の認識も進んでいません。




働き方改革は大切ですし、国レベルで何とかしようと考えているのですが、

末端の意識は到底そこに至っていないのが現状です。

だから、働き方改革が動き出して5年以上経った今でも、

大した変化がないのでしょう。




まずは意識の変化によって、納得感をもって改革し始めること。

仕組み自体の変化によって、持続性のある改革とすること。

焦りは禁物ですが、仲間を集めて着実に進めていきたいところです。

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