教員が4月に作成・提出すべき学習指導に関する7つの計画

教師の働き方

4月が忙しい理由は、作成物・提出物が山ほどあるから!

4月は子供たちとの新しい出会いがあり、新鮮な気持ちで過ごせる時期ですよね。

一方で、一年間の中でもトップクラスに忙しい時期。

忙しい理由はさまざまですが、その大きな一つは、文書の作成と提出!

ただでさえ教室掲示作成やら授業準備やらで忙しい中、

「なんでこんなにいろいろ作成して提出しなければいけないの!?」

と思う方も多いでしょう。

根拠を知ったからといって作成物・提出物が減るわけではありません。

でも、文書提出業務の必要性に対する理解が深まれば、

業務の形骸化の防止となり、ひいては教員自身の身を守ることにもつながります。

本記事では、4月に作成・提出するさまざまな「計画」について解説します。

特に、子供の学習指導に関わる計画について解説します。

①年間指導計画

年間指導計画とは、各教科、道徳科、外国語活動、総合的な学習の時間、

特別活動(学級活動、児童会活動、クラブ活動、学校行事)

の年間の指導の内容や予定が記載されたものです。

これを作成する根拠は、学習指導要領「総則」第1の以下の文。

教育課程を示す一つである年間指導計画を作成しなければならないことが分かります。

(略)児童の人間として調和のとれた育成を目指し、児童の心身の発達の段階や特性及び学校や地域の実態を十分考慮して、適切な教育課程を編成するものとし、(略)

②道徳教育の全体計画

道徳教育の全体計画とは、道徳の授業はもちろんのこと、

他教科、他の教育活動、家庭や地域などとの連携の方法を示したものです。

「学校教育全体で道徳教育をどう進めるか」を一体的に表したものです。

これを作成する根拠は、学習指導要領「特別の教科道徳」第6の以下の文。

(略)道徳教育の目標を踏まえ、道徳教育の全体計画を作成し、(略)

③総合的な学習の時間の全体計画

総合的な学習の時間の全体計画とは、道徳の全体計画と同様で、

他教科、他の教育活動、家庭や地域などとの連携の方法を示したものです。

これを作成する根拠は、学習指導要領「総合的な学習の時間」第3の以下の文。

全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては、(略)

総合的な学習の時間を行うにあたり、全体計画を作成することが前提となっていますね。

④特別活動の全体計画

特別活動の全体計画も、道徳や総合的な学習の時間の全体計画と同様です。

これを作成する根拠は、学習指導要領「特別活動」第3の以下の文。

各学校においては特別活動の全体計画や各活動及び学校行事の年間指導計画を作成すること。

道徳、総合的な学習の時間、特別活動の3つの全体計画については、

その根拠がいずれも学習指導要領です。

学習指導要領には法的拘束力がありますので、

これら3つの全体計画は作成しなければならないのです。

⑤食育の全体計画

食育の全体計画とは、

「学校教育において食育を組織的にどう進めるか」を示したものです。

これを作成する根拠は、学校給食法第10条の以下の文。

校長は、当該指導が効果的に行われるよう、学校給食と関連付けつつ当該義務教育諸学校における食に関する指導の全体的な計画を作成することその他の必要な措置を講ずるものとする。

⑥学校保健計画

学校保健計画とは、

「学校教育において子供の健康保持や保健教育などをどう進めるか」を示したものです。

これを作成する根拠は、学校保健安全法第5条の以下の文。

学校においては、児童生徒等及び職員の心身の健康の保持増進を図るため、児童生徒等及び職員の健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する指導その他保健に関する事項について計画し、これを実施しなければならない。

⑦学校安全計画

学校安全計画とは、

「学校教育において子供の安全確保や安全教育などをどう進めるか」を示したものです。

これを作成する根拠は、学校保健安全法第27条の以下の文。

学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の施設及び設備の安全点検、児童生徒等に対する通学を含めた学校生活その他の日常生活における安全に関する指導、職員の研修その他学校における安全に関する事項について計画を策定し、これを実施しなければならない。

まとめ

いかがでしたか?

子供の学習指導に関わる計画だけでも、法令上必須のものがこれだけあるのです。

そして、それを4月、新年度早々に作成しなければなりません。

その他にも、場合によっては作成の必要があるものとして、

・特別支援教育に係る個別の支援計画

・人権教育全体計画

・キャリア教育全体計画

などがあります。

このように、新年度に教員が作成しなければならない計画は膨大なのです。

4月は、新たに出会った子供たちのためにいろいろと準備したいところです。

一方で、このようなマストの業務があることを、

我々教員自身がしっかり理解したいところですね。

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