4月は子供たちとの新しい出会いがあり、新鮮な気持ちで過ごせる時期ですよね。
一方で、一年間の中でもトップクラスに忙しい時期。
忙しい理由はさまざまですが、その大きな一つは、文書の作成と提出!
ただでさえ教室掲示作成やら授業準備やらで忙しい中、
「なんでこんなにいろいろ作成して提出しなければいけないの!?」
と思う方も多いでしょう。
根拠を知ったからといって作成物・提出物が減るわけではありません。
でも、文書提出業務の必要性に対する理解が深まれば、
業務の形骸化の防止となり、ひいては教員自身の身を守ることにもつながります。
本記事では、前記事に続き、4月に作成・提出するさまざまな「計画」について解説します。
特に、学校運営に関わる計画について解説します。
①学校運営方針
学校運営に関わるものとして、真っ先に必要なものですね。
学校運営方針とは、その名の通り、学校としての目標を掲げ、その目標を
どのようにして達成するかを表したものです。
これを作成する根拠は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第47条の6の以下の文。
対象学校の校長は、当該対象学校の運営に関して、教育課程の編成その他教育委員会規則で定める 事項について基本的な方針を作成し、当該対象学校の学校運営協議会の承認を得なければならない。 |
②目標(評価に関連して)
目標とは、学校運営方針などを踏まえて、もっと具体的に
「このような学校を目指す」「そのためにこのようなことを行う」と示したものです。
このことを学校自らが評価し、改善していかなければなりません。
これを作成する根拠は、学校教育法第42条の以下の文。
小学校は、文部科学大臣の定めるところにより当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について評価を行い、その結果に基づき学校運営の改善を図るため必要な措置を講ずることにより、その教育水準の向上に努めなければならない。 |
また、学校教育法施行規則第66条の以下の文。
小学校は、当該小学校の教育活動その他の学校運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表するものとする。 |
③危機管理マニュアル
危機管理マニュアル(危険等発生時対処要領)とは、事件、事故、災害などの危険が発生した際に
教員が適切な対応をとるために決めておくものです。
これを作成する根拠は、学校保健安全法第29条の以下の文。
学校においては、児童生徒等の安全の確保を図るため、当該学校の実情に応じて、危険等発生時において当該学校の職員がとるべき措置の具体的内容及び手順を定めた対処要領(次項において「危険等発生時対処要領」という。)を作成するものとする。 |
④学校いじめ防止基本方針
学校いじめ防止基本方針とは、どのようにして学校においていじめを未然に防いだり、
いじめをすばやく発見して対応したりするかを示したものです。
これを作成する根拠は、いじめ防止対策推進法第13条の以下の文です。
学校は、いじめ防止基本方針又は地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじめの防止等のための対策に関する基本的な方針を定めるものとする。 |
⑤消防計画
消防計画とは、災害の予防や災害発生時の対応について示したものです。
これを作成する根拠は、消防法第8条の以下の文。
権原を有する者は、(省略)消防計画の作成、(省略)その他防火管理上必要な業務を行わせなければならない。 |
⑥個別の教育支援計画(特別支援)
個別の教育支援計画とは、その子が学校卒業まで一貫して適切な教育支援を受けられるように、
その子に応じた目標や教育内容を示したものです。
これを作成する根拠は、学習指導要領「総則」第4の以下の文。
障害のある児童などについては、(略)長期的な視点で児童への教育的支援を行うために、個別の教育支援計画を作成し活用することに努めるとともに(略) |
まとめ
いかがでしたか?
学校運営に関わる計画だけでも、法令上必須のものがこれだけあるのです。
学習指導の関するものを合わせれば膨大な数ですし、
市町村によっては、これらに加えて他にも作成・提出を求められるかも。
これらは、多忙な4月に取りかかるのが非常に困難です。
働き方改革とは逆走しているようにも見えます。
でも、これらは全て法令上「作成しなさい」と決められているものなのです。
我々教員は、児童生徒に「ルールを守ることの大切さ」を指導しています。
だからこそ、我々自身が守らなければならない法律を確認することは大切です。
いくら働き方改革の推進が大切でも、削るべきはこれらの作成業務ではないのです。
ということは、何を削るべきなのか・・・
これからも法律を勉強すれば、
削ってもよい業務
削ってはならない業務
を見極める目ができあがっていくはずです。
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