働き方改革をいざ進めるとなると、意外なことに、
「その業務は子供のためも削るわけにはいかないです!」
「そのやり方は不慣れなので反対です!」
「そのやり方はパソコン苦手な先生が大変です!」
という反対意見が教職員から出てしまいます。
先生方は、業務の負担軽減をしたいけれども、その業務の多くが、
「やりたくてやっている」「子供に必要だと思っている」「今までやってきた」
こういう業務なのです。
ですから、これらの業務を削ろうとすると、上のような反対意見が出るのです。
「じゃあ、どうすればいいの!?」
と頭を悩ませている管理職の先生方が多いことでしょう・・・
年度当初、私は、教務主任の立場として、事前に管理職の許可を得て、
「働き方改革の進め方」について3つの話をしました。
関連記事はこちら↓
⇒働き方改革を始める前に、教職員で共有すべき3つのこと①何のために働き方改革をするのか?
⇒働き方改革を始める前に、教職員で共有すべき3つのこと③業務改善の3つの心得
本記事ではその2つ目です。
業務改善の方法は4種類!
業務改善の方法は大きく4つの種類がある
業務改善の方法は、「なくす」「へらす」「うつす」「ふやす」の4種類があります。
方法①業務を「なくす」
方法①業務を「なくす」
文字通り、業務をなくすという方法です。
メリットは、なくした業務分の勤務時間の短縮という、シンプル且つ絶大な効果です。
例えば、
運動会をなくせば、それに関わる全ての業務がなくなります。
校外学習をなくせば、それに関わる全ての業務がなくなります。
デメリットは、取捨選択の判断の難しさです。
長年当たり前のように行ってきた業務をなくすことは、
頭では分かっていても、感情として受け入れられない場合が多いです。
いかに取捨選択をし勇気を出してこの判断をすることができるか、
また、それを保護者・地域と合意形成できるかが大切です。
方法②業務を「へらす」
方法②業務を「へらす」
業務量を見直したり、業務の仕組みや方法を効率化したりし、業務量を減らす方法です。
メリットは、「なくす」ほどではありませんが、減った業務分の勤務時間の短縮です。
例えば、
紙と電子ファイルの両方で存在していた日報を、共有ツール上への投稿に統一する。
紙で配付・回収・集計していたアンケートを、アンケート作成ツールで行う。
などです。
デメリットは、慣れや得手・不得手に個人差が生じることです。
例に挙げたように、効率化を目指して電子化すると、
電子化についていけない教職員や保護者が一定数います。
その人達にとっては、慣れるまでの一時的な期間、負担が逆に増えてしまうのです。
ただし、あくまでそれは一時的なものです。
私の経験則になってしまいますが、
初めてガラケーからスマホに変えた日、1日中かけて初期設定に苦しんだことを覚えています。
※みなさんはいかがでしたか?私だけ?
しかし、今となっては、ガラケー時代よりも快適な日々を過ごすことができています。
慣れさえすれば、それまでの負担を補い余りある効果を実感するはずです。
そうなるであろう期待感をみんなで共有することが大切です。
方法③業務を「うつす」
方法③業務を「うつす」
業務をいろいろな人に分散させたり、逆に誰かの業務をみんなで協力して行う方法です。
メリットは、なくしたりへらしたりできない業務にかかる勤務時間を適正分配できることです。
学校業務には、法律等で決まっている業務や、教育委員会から指示があった業務等があります。
それらの業務は、学校が勝手になくしたりへらしたりできない場合がほとんどです。
また、上以外の業務でも、学校として「これは減らさないべきだ」と判断した業務もあります。
例えば、
月末統計の時数集計や長欠児童報告などの担当を教務主任1人でなく分散させる。
担任の丸付け業務を担外が引き受ける。
などです。
デメリットは、学校全体としての業務量は減らないことです。
そりゃそうですよね。移してるだけですから・・・
方法④業務を「ふやす」
方法④業務を「ふやす」
増やすって矛盾してるよね!?と思われるかもしれませんが、これも必要なことです。
業務改善について検討するなどの時間を意図的に設ける方法です。
(1)~(3)を具体的にどう進めるかを話し合わないといけませんよね。
そのための時間の分だけ、どうしても勤務時間は増えてしまいます。
でも、働き方改革を推進するためには、必要な増加です。
できるだけ計画的・効率的に会議を進めることで、増加分を抑えることが大切です。
上の考え方を踏まえ、一つ一つの業務について、
まずは、なくせるかどうかを考える。
それが無理なら、へらせるかどうか考える。
それも無理なら、うつせるかどうか考える。
そういう手順で進めていくことを共有すると、業務改善がスムーズになります。
実はこの分類は、埼玉大学教育学部附属小学校の働き方改革を基にしたものです。
「定時上がり」をITで実現した小学校の本当の狙い(埼玉大学教育学部附属小学校)
上の記事では、研究に膨大な時間がかかるだけでなく教育団体の事務局も兼ねる先生方の勤務が
生まれ変わった経緯の一部が紹介されています。
このように、自校だけで悩まずに、他校のアイデアも大いに生かすと
きっと解決策が見つかるはずです!
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